ご出産された方で【腰痛】に悩んだママさんはほとんどではないしょうか?
実際、当院に来院される方のほとんどが腰痛を原因としていらっしゃいます。
今回は産後での身体の痛みを長年治療している経験から、実際に多い症状、原因、セルフケア、ダイエットなどの方法をご紹介します。
妊娠中の方も知って得する情報なので覚えておきましょう!
目次
【産後腰痛チェック】これで痛みがでたら放ってはダメ!
育児や家事で痛みがあっても『そのうち治るだろう』と思いがちです。
ですが、育児や家事での身体の負荷は減ることはありませんよね?
今ここで腰の痛みをチェックしてみましょう。
- 仰向けに寝る時に痛い
- 抱っこ紐をする時に痛い
- おむつ替えの時に痛い
- 階段の昇り降りの時に痛い
このような場合に痛みが出る時は、すぐに対処しましょう。
楽だと思っていた産後腰痛になるNGな姿勢
普段から慣れている座り方や抱き方があると思います。
しかし、意外と腰痛を引き起こす原因になる姿勢かもしれません。
私も実際に2人の子育てをして、実感したことでもあります。
立ち方、座り方もチェックしてみましょう。
腰痛にNGな座り方
床にお姉さん座り
片側に脚を曲げた状態になるため、お尻、太もも周りの筋肉の緊張に左右差が生まれ、骨盤を歪ませる原因になります。
股関節の可動域にも左右差が生まれます。
椅子やソファに浅く座り背もたれにもたれる
骨盤が後傾し、背骨の後彎が強くなり、ストレートネックになる姿勢、いわゆる猫背になります。
腰痛にNGな抱き方
腰を反りお腹を突き出す
抱っこ紐での腰のベルトの位置。
抱っこ紐をしない場合は、赤ちゃんの首がすわらない、腰がすわらない安定感のない時期の抱っこでの姿勢は、抱きにくく反り腰になりがちです。
片側の骨盤に乗せる
片側に乗せると、乗せた側の腰お尻回りの筋肉に負担がかかり筋緊張が生まれ、痛みが生じるとともに骨盤の歪みの原因になります。
それに伴い、支えている腕から肩甲骨回りの筋肉にも同様の症状が起こります。
正しい抱っこの仕方
ママは脇を締め、赤ちゃんとママの腕が触れるようにし、赤ちゃんの顔が胸元にくるくらいに抱き上げ、耳・肩・大転子・くるぶしが直線になるような姿勢が正解とされています。
赤ちゃんは背中に丸みをもたせるような姿勢になるようにします。(ママの前腕や手で形を作ります。)
これが、正しい抱っこの姿勢です。
腰痛にNGな寝方
うつ伏せ
うつ伏せの体勢は必然的に腰椎の前彎が強制されてしまい、反り腰の原因になります。
更にうつ伏せでのスマホ、ゲーム、読書等で長時間の同姿勢で筋緊張が強くなり痛みが生じます。
産前産後の腰痛、4つのメカニズム
そもそも産前産後の腰痛はなぜ起きるのかを説明します。
①女性特有のホルモンで骨盤が開く?
妊娠中から出産に伴い、卵巣ホルモンである【リラキシン】が作用して、子宮・骨盤周囲の靭帯・筋肉を緩めます。
お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれ子宮も広がり、骨盤にはとても大きな力が働き、骨盤を広げます。
広がる際にリラキシンの作用で骨盤をつなぐ関節・靭帯が引っ張られ痛みを生じます。
女性特有の生理の際に腰痛が起きるのもリラキシンの効果で骨盤が広がることが原因とされています。
産後3ヶ月から半年ほど、リラキシンの効果は持続するといわれています。
②妊娠中から筋力低下で反り腰に?
妊娠中はお腹が大きくなりお腹が前へ突出してきます。
その関係で骨盤は前傾し腰椎も前彎して反り腰になりやすい状態になります。
反り腰になると、上半身の加重が腰椎に影響し、腰椎付近に筋肉の固さが生じ、血行不良になり痛みが生じます。
出産後は産褥期で更に筋力低下に陥り、抱っこ紐の使用により反り腰が強制される姿勢になり負担が増加してしまいます。
筋力低下とは、筋繊維の集合体である筋肉、その繊維の太さが《萎縮》という形で細く、小さく、縮まって固くなる状態です。
③育児や家事の負担で筋肉に緊張が?
ここで育児と家事で腰に負担を与える動きを確認しましょう。
育児
- 授乳、ミルクを与える姿勢
- おむつ替え、着替え
- 沐浴
- 抱っこ紐
家事
- 料理、洗い物
- 拭き掃除
- 洗濯物を干す
このような動作は日常生活動作ですので、基本的にやらなくなることはありません。
なので負荷を減らすことができません。
基本的な姿勢は《猫背》《反り腰》を長時間行う動作です。
これにより腰回りの筋肉は固くなり痛みの原因になります。
負荷を減らすことはできませんが、改善する方法がありますので後ほどご紹介いたします。
④婦人科系とストレス
【産後うつ】などという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
産前の場合は、出産やその後の日常生活に対する不安、産後の場合は、パートナーとのコミュニケーションや育児疲れ等により精神的に不安定になりやすい時期です。
このような不安定な精神状態だとストレスをより感じてしまいがちです。
ストレスは腰痛も含め、身体の痛みに関係性があると言われています。
そして、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系の疾患を患う場合にも腰痛は考えられます。
腰痛の原因となる骨盤の歪みと開き、改善するアイテム
上記で骨盤の歪みや開きが原因の腰痛についてご紹介しました。
出産に伴う骨盤の動きについて簡単にご説明します。
骨盤の歪み、開き
骨盤は《腸骨、仙骨、坐骨、尾骨、恥骨》で構成されています。
妊娠、出産で開く骨盤は《仙骨と腸骨でできている仙腸関節》と《左右の恥骨をつなぐ恥骨結合》です。
恥骨結合が開くのはものすごい力で、開きすぎると《恥骨結合離開》という症状を引き起こします。
仙腸関節にも《仙腸靭帯》という関節をつないで安定させる強い靭帯がありますが、骨盤が開くことにより引っ張られて痛みを生じます。
骨盤が開くと自然と元に戻る力【自家矯正力】(骨折しても自然に治る力)が働いて、妊娠前に戻る場合もあります。
ですが、ほとんどの場合は歪んで開いたままの状態になります。
骨盤が開くと【骨盤底筋群】という筋肉たちが緩んでしまい、支えていた内蔵器が下に下がり圧迫されて腰痛になる場合があります。
骨盤底筋群は骨盤が元の状態に閉じると筋肉も再び引き締まり、力を発揮します。
改善するアイテム
妊娠中も出産後も使用する場合もありますが、よく【とこちゃんベルト】を購入して使用している方がいます。
もちろん良い商品ですが、自分の身体の状態によって使用するベルトの種類を変えたほうが理想の身体になっていきます。
実際に患者様から、あまり効果がわからずに使用しているという声を多く聞きます。
ここではベルトの種類についてご説明します。
とこちゃんベルト
このベルトは布製品で伸縮性があまりないため、腰痛予防のために骨盤を圧迫して安定させるというより、日常生活動作時に更に骨盤が開かず、痛みが出ないようにという目的で使用することをオススメします。
重量も軽いので体への負担はほとんどありません。
腰痛用コルセット(アルミ板入り含む)
このベルトはぎっくり腰など、腰の痛みが強すぎて曲げたりすることが困難な場合に使用します。腰を覆う幅が広く、ほとんどが布とゴムでできているため伸縮性があり安定感があります。
しかし、頑丈な作りのため産後での日常生活動作での使用にはあまり向いていません。
生ゴム性骨盤ベルト
私が実際に患者様に紹介しているベルトは《ダイヤ工業株式会社 丸形骨盤バンド》です。
このベルトはすべて生ゴムでできており伸縮性、圧迫力が強いため、装着時に動いてもずれにくく、安定感がとても強いので
- 急な腰痛でも痛みの軽減
- 骨盤、姿勢の維持
- 歩行時の安定感
- 動きやすさ
- 骨盤を閉じる力
など着けてみると効果をすぐ実感できる商品です。
更に変形したり、汚れたりすることも少なくお手入れはほぼ不要なところも〇です。
紹介した皆様はベルトの効果に驚かれます。
ただ、骨盤ベルトは常に使用してしまうことで、本来自身の骨盤、姿勢を保つための筋力をベルトに依存してしまい、筋力低下につながる可能性があります。
装着時期は、痛みがある場合や、腰に負担がかかる場面でのみ使用し、安静にできる際には外しておきましょう。
自宅で簡単!産後の腰痛セルフケア
なかなか時間がなくて整体院や整骨院に行けない方や、料金的に通えない方へ自宅でできる簡単セルフケアをご紹介します。
腰痛ストレッチその1
- 仰向けになり、両膝を立てます。
- 右脚を左脚の上に組みます。
- 左の腰を内側に引くように腰を少し捻ります。
- そのまま組んだ状態の脚を左に倒します。
20秒を左右3回ずつできると良いです。
左膝あたりで右脚を床に押し付けると更にストレッチがかかります。
腰痛ストレッチその2
- 四つん這いになります。
- 床についた手の位置は動かさず、お尻をかかとにつけるように下げます。
- 腰を丸めるイメージで伸ばします。
10秒を3回できると良いです。
いわゆる猫が伸びをするポーズです。
背中を反りすぎると肩甲骨回りの背中の筋肉にストレッチがかかるので注意しましょう。
腰痛ストレッチその3
- 四つん這いになります。
- 頭を下げ、おへそを見るように覗き込みます。
- 背中から腰を丸め、お腹をへこませるように力を入れます。
10秒を3回できると良いです。
産後腰痛の骨盤矯正ができる整骨院・整体院を探そう
自分でのセルフケアによる骨盤矯正では完全に歪みや開きを整えることができません。
近所にある整体院や整骨院で【産後の骨盤矯正】ができるかどうかを調べてプロの先生に1度相談してみましょう。
最近では、産後骨盤矯正専門院もありますので、ぜひ探してみてください。
当院は【産後骨盤矯正認定院】であり、【産前の体に戻る!産後骨盤ストレッチ】という書籍に神奈川県代表として掲載されている、産後のメンテナンスに自信のある整体接骨院です。
産後腰痛Q&A
腰の痛みがあるときはマッサージしたほうがいいですか?
腰痛にも筋肉以外に原因がある場合があり、マッサージして痛みが強くなる場合もありますので、不安であればまず整骨院や整体院に行きましょう。
ズキズキする痛みで動けなくなりました。対処法はありますか?
動けなくなるほどの痛みは腰椎、筋肉、骨盤に炎症が起きている可能性があります。足首を捻挫したら患部を冷やすように、腰も痛みが強い時は冷やすことを優先しましょう。
骨盤矯正ってずっと通わなければいけないのですか?
受診した先の先生にもよりますが、基本的には自分の身体が妊娠前に戻り、矯正の必要性を感じなくなったらやめて構いません。
ただ、産後は育児がこれから長く続きますので不調が出ないように予防の意味でメンテナンスをするという考え方が良いと思います。
腰痛以外に産後で受診される症状
ランキング形式で発表します。
《第三位》膝の痛み
《第二位》手首、親指の痛み
《第一位》首肩の痛み
これらの症状の原因、対処法は【産後から始まる身体の不調、症状を解説!】をご覧ください。
まとめ
産後は精神的にも肉体的にも疲労してしまい、自分ではわかっていてもなかなか動き出せないものです。
そんな時は近所にある整体院や整骨院に相談してみましょう。
不安なことを口に出すだけでも意外とすっきりするものです。
当院(アリス整体接骨院)では、子育て中のスタッフが常勤していて、患者様とスタッフで子供の悩みなどの情報共有をしながら心と体のケアを目的としています。
少しでも産後ママの負担が減り、楽しく育児できるカラダ作りのサポートになれば幸いです。